海星高テニス部OBがコロナ禍で各種大会を失った現役部員のために企画した部内男子トーナメント「東口杯」が14日、雲仙市の県立百花台公園テニスコートで行われた。高校生とOBの約40人が参加。「海星ナンバーワン」を競って、一つの区切りとした。
県高校男子テニス界をリードする海星高。今季も「全国で勝負する」という目標へ向けて始動したが、9年連続出場を決めていた春の全国選抜大会、団体で40度目の挑戦を目指した夏のインターハイなどが、コロナ禍でなくなった。
「後輩たちが海星でテニスをやってきて良かったと思えるような、今季区切りの大会をしよう」。OBの大塚史洋さんらの提案に、まるなか本舗などOBが経営する県内六つの企業や専門学校、個人有志が協賛。OBや親和銀行テニス部員、保護者らも運営協力した。
この日はあいにくの雨となり、予定を短縮して実施。実力上位の高校生、OBによる個人ダブルスI部は、高校2、3年生のエースペア、今里翔吾・井崎雄一組が優勝した。最後に高校生チームとOBチームがダブルス3戦の団体で対戦。OBは第1ダブルス山口大輝・吉田唯将組(親和銀行・三菱重工長崎)が意地の1勝を挙げたが、高校生が第2、3ダブルスを連取して競り勝った。現役、OBの真剣勝負に、会場は大いに盛り上がった。
試合後、主将の清原啓介は「大会に出られずにつらかったけれど、区切りの試合ができてありがたかった」と充実した笑みを浮かべた。3年生は大学で競技を続ける選手も多く、代替わりをしても引退は先となる。東口嵩監督は「日々の練習の中でも、伝統は後輩に伝えられる。卒業まで記憶に残る姿を見せてほしい」と願いを込めた。
OB主催の「東口杯」は2008年に続いて2回目。第1回は東口監督の父、亨前監督の定年を記念して開かれた。亨前監督はチーム思いのOBの存在を踏まえ「3年生は心強い先輩たちがいることを支えに、今後の人生を力強く歩んでほしい」とエールを送った。