猪苗代湖で「はくちょう丸」など観光遊覧船を運行、磐梯観光船(株)が新型コロナの影響で破産

 磐梯観光船(株)(TSR企業コード:152021736、法人番号:1380001017748、福島県猪苗代町堅田宮西1060-2、設立1959(昭和34)年7月、資本金8925万円、髙橋幸子社長)は6月15日に事業を停止し同日、福島地裁会津若松支部に破産を申請した。申請代理人は今井智一弁護士(今井関口法律事務所、東京都中央区銀座7-10-8、電話03-6426-5420)。
 負債総額は現在調査中。

 設立当初は、交通事業会社のグループ企業として展開し、福島県有数の観光地である猪苗代湖と桧原湖で観光船4隻を運行していた。修学旅行や団体旅行を中心に集客。特に猪苗代湖で運行する「はくちょう丸」と「かめ丸」は特徴的な船体から多くの観光客に親しまれていた。
 最盛期の乗船客数は年間約10万人に達していたが、レジャーの多様化などから、乗船客数は伸び悩みが続き、2011年3月の福島第一原発事故後は、風評被害から客足がさらに落ち込んでいた。
 同年12月に交通事業会社の事業再編によりグループ企業から外れ、新たな経営体制で再スタートを切ったほか、客足も回復基調にあった。しかし、2020年に入ってからは「新型コロナウイルス」の影響で再び客足が減少、4月13日からは臨時休業していた。
 多額の債務を抱えるなか、大型連休中の収入を失い、資金繰りが逼迫。夏場の観光需要も見込めないことから、事業継続を断念した。

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