核兵器禁止条約 13市町が「批准すべき」と回答 県内自治体アンケート 2年前から1減

アンケートへの各自治体からの回答用紙

 市民団体「非核の政府を求める県民の会」(代表常任世話人・本田孝也県保険医協会長ら3人)が県と県内21全市町に実施した非核平和行政に関するアンケートによると、「日本は核兵器禁止条約を批准すべきだ」と回答したのは長崎市など13市町だった。初めて設問に加えた2年前の前回調査から1自治体減少した。県と8市町は賛否を明確に示さなかった。
 同会の牧山敬子事務局長は「条約が採択され世界的に核廃絶への機運が高まる中、被爆県長崎で増えていないのは問題だ。各自治体は核問題を自分事と捉え、住民に発信していく責任がある」と話している。
 アンケートは昨年11月から今年1月にかけて実施。各自治体に記入してもらい、一部は聞き取りをした。全自治体から回答があった。
 「日本は核兵器禁止条約を批准すべきかどうか」を尋ねた設問では「批准すべきだ」「しなくていい」のいずれかに丸を付けてもらった。「しなくていい」を選んだ自治体はなかった。
 「批准すべきだ」を選んだのは長崎、諫早、雲仙、南島原、平戸、五島、壱岐の7市と、西彼時津、長与、東彼東彼杵、川棚、上五島、北松小値賀の6町だった。
 一方で、県と8市町は、いずれにも丸を付けず、賛否を明確に示さなかった。自由記述で県と大村市はそれぞれ「日本政府が核保有国と非保有国の橋渡し役を果たしてほしい」と要望。島原市は「日本政府が『唯一の戦争被爆国』として国際社会で主導的な役割を発揮することに期待」する、とした。
 米軍基地のある佐世保市は「外交については国の専権事項であるため、意見を述べる立場にない。国防の一端を担う基地のある街として国と同じスタンスで取り組んでいく」とした。
 一方、前回調査で「批准すべきだ」と回答していた東彼波佐見町も賛否を明らかにしなかった。取材に対し、同町は「国の外交の状況などをみて考える必要があるため」と答えた。


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