長崎・コロナ集団感染のクルーズ船 最後の乗組員退院、帰国

コスタ・アトランチカ

 長崎港に停泊中に新型コロナウイルスの集団感染が発生し、5月31日に出港したクルーズ船コスタ・アトランチカ(イタリア船籍・8万6千トン)の乗組員で、長崎市内の指定医療機関に入院していた最後の1人が9日、退院した。県によると、運航会社コスタクルーズが用意した車で県外の空港に向かい帰国の途に就いたという。
 退院したのは、4月22日に最初に入院した外国籍の40代男性。唯一重症化し、治療をして陰性が確認されたが、体力の回復を待っていたという。
 同船では4月20日に最初の感染者が確認され、当初の乗組員623人のうち149人の陽性が判明した。大半の乗組員は船内の個室で隔離されたが、陰性者5人を含む11人が長崎市内の指定医療機関に入院した。
 同船は船内の陽性者がゼロになるのを待って、5月31日に船の運営に従事する「エッセンシャルクルー」ら126人を乗せて出港。同日までに陰性者と再検査で陰性となった計495人は空路で帰国していた。同日時点で6人が入院中だったが順次退院し、今回退院した40代男性だけが残っていた。

 


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