最短で29日診療再開 長崎みなとメディカルセンター 新規感染者出なければ

長崎みなとメディカルセンター診療状況

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生し、診療をほぼ全面休止している長崎みなとメディカルセンター(長崎市新地町)は17日、今後新たに感染者が確認されなければ、最短で29日から段階的に診療を再開すると発表した。クラスターはセンターにある11病棟のうち1病棟に限定されており、検査の現状からみて感染拡大の兆候も見られないとしている。

 センターを運営する市立病院機構の片峰茂理事長とセンターの門田淳一院長らが17日、市役所で記者会見し、現状と今後の方針を説明した。門田院長は、再開する診療科の順番や内容は調整中とした上で「3週間後、1カ月後の全面再開に向け協議する」と述べた。

長崎みなとメディカルセンターの診療再開について語る片峰理事長(右)と門田院長=長崎市役所

 センターは、10日に20代女性医療技術職の感染を確認して以降、11日に2人、12日に4人、13日に1人の計8人(職員5、患者3)の感染を確認した。「1カ所で5人以上の感染者」が出るクラスターを認めた12日、特段の事情を除いて全診療科の入院、外来、手術、救急対応を休止した。
 医師や看護師ら職員をはじめ、患者と家族、出入り業者の計1549人をPCR検査などの対象とし、16日までに1323人の検体を採取、1205人の結果が出た。新たな感染者は出ておらず、来週中に全ての検査を終える見通しだ。
 最後の感染者を確認した13日から2週間の経過観察期間を経て、感染者との接触度が高かった職員らを再検査し陰性を確認後、診療を再開する。センターの感染対策について外部評価も受ける。新たな感染者が出れば、再開時期を見直す。
 片峰理事長は「風邪でもコロナを疑うといった個々の医療従事者の意識や、感染予防のシステムに甘さがあった。万全を期して診療を再開したい」と語った。
 感染経路を巡っては、センター2人目の感染者となった20代男性医療職が6月28日と7月4日に立ち寄った会員制飲食店の客や従業員を、市が追跡調査している。現在、検査対象29人のうち、既に感染を確認している4人以外の17人は陰性で、残る8人は検査に向け調整中。


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