島原でもコロナ初感染 長崎県内47人に 今月だけで30人

新型コロナウイルスの感染拡大への対策を協議した県の会議=県庁

 長崎県は21日、五島市の70代自営業男性と70代自営業女性、島原市の50代事務職女性の計3人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。両市での感染確認は初めて。これで県内の感染者は計47人となった。このうち17人は4月中旬までに陽性が判明し、他の30人は今月に入り確認された。県によると、21日時点で30人のうち23人が医療機関に入院、6人が軽症者用宿泊療養施設に入所しており、1人が退所したという。
 県は対策本部会議を開き、中村法道知事が記者会見。30人について▽長崎大学病院と長崎みなとメディカルセンター▽長崎市の会社員▽諫早市の専門学校▽佐世保市の海上自衛官に加え、五島、島原両市の計六つのグループに区分できると説明。長崎大の専門家からは、県境をまたぐ移動自粛が6月に解除され「県外との何らかのつながりで発生したのではないか。感染者が散発しているが、まん延している状況ではないだろう」との見解を得たという。知事は「感染経路を早急に解明し、事態の早期収束につなげたい」と述べた。
 県によると、五島市の2人は同居家族。男性は今月5日から、女性は3日から航空機でマスクを着用し福岡に入り、いずれも8日に市内に戻った。2人とも19日に37度台の発熱があり、翌20日に帰国者・接触者外来を受診。検査で陽性が確認され、指定医療機関に入院した。軽症。濃厚接触者はおらず、接触者は調査中。
 これで、五島医療圏も感染状況に応じた「フェーズ」を県本土と同じ「2」に移行し、専用病床を「4」から「10」に増やした。
 また島原市の50代事務職女性は18日にのどの痛み、頭痛、せきの症状を訴え、19日に医療機関を受診。20日に37度台の発熱があり、帰国者・接触者外来で陽性が判明し、指定医療機関に入院した。軽症。濃厚接触者ら39人の感染の有無を検査する。

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