諫早大水害から63年 「若い人へ語り継ぐ」 犠牲者を慰霊

水害復興記念碑に防災を誓う永昌東町自治会の役員=諫早市、駅前公園

 1957年7月の諫早大水害から63年となった25日夜、諫早市などが主催する水害殉難者慰霊式典が高城町の諫早公園芝生広場で営まれた。
 諫早大水害では市中心部の本明川などが氾濫し、死者・行方不明者は630人に上った。市などは58年から毎年、諫早万灯川まつりを開いているが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で式典だけに縮小。花火打ち上げや万灯流しは中止した。式典には約40人が参列した。
 同日は市内各地でも規模を縮小した慰霊行事があった。102人が犠牲となった永昌東町自治会の役員約10人は、同町の駅前公園にある水害復興記念碑前で慰霊祭を営んだ。木下誠人会長(76)は「体験者が年々、減少し、水害の記憶を若い人に語り継ぐことが大切」と述べた。
 市仏教連合会の追悼法要は、感染者が同市などで相次いでいることを受け、中止された。

© 株式会社長崎新聞社