8.9前に平和願い音楽祭 歌、ピアノ、壁画を披露

平和への思いを歌に乗せる被爆3世のソプラノ歌手、内夏美さん(右)=長崎市平野町、長崎原爆資料館ホール

 第35回長崎平和音楽祭(実行委主催)が25日、長崎原爆資料館ホール(長崎市平野町)で開かれ、県内の音楽団体が平和を願って多様な音色を響かせた。
 長崎原爆の日前後の時期に平和を発信する複数のイベントを長崎市内で展開する、「長崎平和アートプロジェクト(ナヘア)」の一環。新型コロナウイルスの影響で定員が限られる中、約120人が来場した。ステージの背景には、同市の学童保育の子どもが手掛けた平和壁画「キッズゲルニカ」の作品が天井からつるされた。
 音楽祭では、同市の被爆3世のソプラノ歌手、内夏美さんが初登場、樋口梨絵さんのピアノに合わせ、鎮魂歌の「ピエ・イエズ」や広島原爆を題材にしたアニメーション映画「この世界の片隅に」の主題歌「悲しくてやりきれない」など8曲を披露。1曲歌い終わるごとに観客から大きな拍手が送られた。歌の合間には、内さんが曲の解説や選曲理由などについて話した。
 他にも、日本の伝統楽器の箏や尺八、同市の劇作家つだけいこさんが脚本を手掛けた“音楽詩”「修羅」、ジャズやJ-POPなど、幅広い音楽が披露された。音楽祭を見に来た餅田健さん(86)は「出演者の心意気があってとても良かった」と感想を話した。

 


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