原爆写真展の後援 佐世保市教委と市、今年も拒否 署名活動「政治的な中立性保てない」

 佐世保市の市民団体が8月に市内で開く原爆写真展について、市教委と市が団体側からの後援申請を今年も断ったことが29日、分かった。写真展に併せ、団体側が核兵器禁止条約の制定をすべての国に求める「ヒバクシャ国際署名」の街頭活動を実施することから「政治的な中立性を保てない」などと判断したという。
 写真展は原水爆禁止佐世保協議会などでつくる「原爆写真展『LOVE&PEACE』の会」が企画。8月8日に島瀬公園で開く予定。市教委には6月30日、市には7月1日にそれぞれ申請していた。
 市教委などによると、写真展自体は原爆の悲惨さや平和の尊さを発信する機会として適当だが、多様な意見がある核廃絶に関して賛同者を募る署名活動は後援できないと判断。29日に申請を却下する決定をした。
 団体側は2017年に初めて市教委と市に申請し、却下された。今回、3年ぶりに双方に申請したが、結果は変わらなかった。原水爆禁止佐世保協議会の前川恵子理事は「市内にも多くの被爆者がいる。写真を見て納得した上で賛同してほしいという考えだったので残念」と話した。

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