「Peace of Cake」 ケーキの”平和的”な分け方は? 電通主催の学習会

「平和的な分け方」について話し合う生徒=長崎市、長崎原爆資料館

 ユニークなカードを使いゲーム感覚で平和を考える学習会(電通主催)が2日、長崎市平野町の長崎原爆資料館で開かれた。被爆者らの講話を聞いたりして過去を学ぶ従来の平和学習と異なり、核廃絶の問題などについて、どう解決していくべきかを主体的に考える新たな形として期待されている。
 プログラムは、高校生1万人署名活動実行委員会で活動経験があり電通に勤務する鳥巣智行さん(37)=長崎市出身=が社内外の仲間とともに2年ほど前から開発を進めていた。
 この日は10人の高校生が参加し、鳥巣さんはリモートで進行。生徒は2種類のゲームに取り組んだ。そのうちの一つ、「Peace of Cake」は1個のホールケーキを4人で「平和的に分ける方法」を考えていく内容。議論の途中に、「イチゴが苦手」「四角主義」といったキャラクターを指定するカードをめくり、その条件も踏まえ、最終的に「平和的な分け方」を発表した。
 体験した生徒は「全員の意見を実行することは難しく、誰かが妥協をしなければいけない」「対話をし、それぞれの意見を聞くことが大事」などと感想を述べ、平和問題にも通じる考え方を学んだ。
 今回のプログラムは今後、長崎、広島を訪れる修学旅行生の「事前学習」として活用してもらう方針。鳥巣さんは「平和問題をいろんな人に考えてもらうにはハードルを下げる必要があると思い、考案した。(今回はリモート参加し)コロナ禍でも対応できる可能性を感じた」と話した。

「自由な発想で楽しく考えて」と呼び掛ける鳥巣さん(画面)

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