新コンコルド協定の締結について「リバティ・メディアと前進することを決めた」とメルセデスF1代表

 メルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフは、F1のCEOを務めるチェイス・キャリーとの直近の話し合いにより、メルセデスF1は新コンコルド協定の締結を“前進させる”ことに納得したと語っている。

 8月7~9日に行われたシルバーストンでのF1第5戦70周年記念GPの前に、ウォルフはチームとF1を2021年から結びつける非常に重要な新コンコルド協定について、いまだに合意に達していない条項がいくつかあると主張していた。

 しかし、シルバーストンでキャリーと話し合いを行ったウォルフは自身の姿勢を変え、メルセデスF1は協定を締結する準備ができていると主張している。一方、F1はチームによる協定の締結期限を当初の8月12日から6日間延長し、8月18日とした。

「チーム内部での話し合いの後、私は我々が必要とすることと、前進するにあたって明確化を必要とする点について声高に発言してきた」と、ウォルフは金曜日にスペインGPが行われるバルセロナでメディアに語った。

「だがシルバーストンで私は自分の意見を変えた。各チームはいつも団結しているとは思わない。誰もがほかの全員を出し抜いて、いくつかの小さな要求を通そうとする。メディアには、何かのせいにするようなカルチャーがある」

「だから我々はリバティ・メディアと前進することを決めた。先週末の間に、非常に建設的な議論をチェイス(キャリー)と行った。我々が明確にしたかったほとんどの点について話し合いをした」

「我々は良いタイミングで新コンコルド協定を締結し、前進できると感じている」

2020年F1第6戦スペインGP トト・ウォルフ(メルセデス チーム代表)
2020年F1第5戦70周年記念GP F1のCEOを務めるチェイス・キャリー

 フェラーリとレッドブル・レーシングを含む一部のチームは、シルバーストンで彼らが迅速に新協定を締結したことを明らかにした。しかしウォルフは苛立ちを見せ、ほかのチームは公には商業権保有者となるリバティ・メディアの提案を完全に受け入れたが、非公式にはコンコルド協定の例外規定を微調整するよう要求していたのだと主張した。

 ウォルフは話し合いをするなかで、チーム間の団結が欠如していたことを強調した。

「私が不満を抱いたのは、我々はチーム同士で共通の観点を持つために団結することができないということだ」とウォルフは語った。

「リバティやFOM(フォーミュラワン・マネジメント)と対立するようなやり方ではまったくない。しかし我々は話し合いを行い、誰もがおなじ説明や、協定に必要な修正点について関心があるように見えた」

「そしてミーティングが終わるが、放送ではミーティングで語られたこととはまったく異なる意見を聞くことになるのだ。それが特に不満を覚えるところだ。なぜそんなことが起きるのか分からない」

「ミーティングが終わるなり電話をかけるような人々に、私は自分の立場をはっきりと明らかにした」とウォルフは付け加えた。

「我々はF1チームとして、チームの利益について共通の観点を持つことができないのだと考えるようになった。それなら我々は後戻りをして、我々独自の観点を持つようになるだろう」

2020年F1第6戦スペインGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

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