島原の県立4校 ピクトグラム制作 特殊詐欺に気を付けて カレンダーなどに活用へ 島原署が依頼

アイデアを出し合い、ピクトグラム制作に取り組む生徒=島原工高

 高齢者を特殊詐欺の被害から守ろうと、長崎県島原市内の県立高4校の美術部員らが詐欺の手口や対策を学び、注意を促すピクトグラム(絵文字)の制作に取り組んでいる。
 ピクトグラムは非常出口やトイレなど、情報や注意をシンプルなイラストで示し、公共施設などを中心に普及している。文字と違い、一目で情報が伝わる点に着目した島原署が6月、島原工業、島原農業、島原商業、島原の市内4校に制作を依頼。9月にアイデアを取りまとめ、特殊詐欺被害への注意を呼び掛けるカレンダーなどに活用する。
 4校のうち、島原工と島原農の美術部員計12人は夏休み期間中、合同での部活動を利用し、15センチ四方の紙に白黒のピクトグラムを描いている。部員らは今月上旬、署員から息子や行政職員をかたる特殊詐欺の手口などについて説明を受けた。
 「還付金」「ATM」「公的機関」など10種類のキーワードを基に意見を出し合い、それぞれのピクトグラムのイメージを膨らませた。スマートフォンや固定電話機、札束などをモチーフにした絵柄のアイデアスケッチを描くなど、完成に向け制作を進めている。
 電話から飛び出した犯人が、被害者を狙うイメージを素案で描いた島原農高1年、貞松夏希さん(15)は「なじみやすいように人気アニメのキャラクターを模した。不審な電話に注意してほしいとの思いを込めた」。スマホ画面に映る犯人を表現した同校2年の五島美友季さん(16)は「知らない人からお金の話が出たら、電話を切ってほしい」と話した。

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