“花咲く”カフェ野母崎に 南国演出 地元を元気に コロナ禍「沈んだ気持ち盛り上げたい」

「カフェモハラ」の店内=長崎市高浜町

 野母崎を花と笑顔が咲くまちに-。長崎市黒浜町の飲食店経営、松尾博一さん(57)が、野母崎地区の活性化に向け、高浜町に3密(密閉、密集、密接)を避けつつ食事を楽しめる「カフェモハラ」をオープンし、周囲に四季折々の花を植える計画を進めている。松尾さんは「市中心部や県外の人たちが、おのずと『野母崎に行こう』と思えるような場所にしたい」と話す。
 松尾さんは市内で五島うどんの店を経営しているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で4月から営業を休止中。来店者が感染を気にすることなく、食事や自然を楽しめるカフェを地元である野母崎に作ろうと考え、8月20日にカフェモハラをオープンさせた。
 「モハラ」とは、ハワイの言葉で「(花が)咲く」という意味。来店者の笑顔が咲き、コロナ禍で沈んだ気持ちを盛り上げたいとの思いを込めた。高浜海水浴場近くの道路沿いにあり、約30のテラス席からは端島(軍艦島)を望むことができる。大型の扇風機を設置し、換気にも気を配った。
 メニューは、アマダイやエビのすり身のフライを挟んだ「長崎バーガー」(800円)や、色鮮やかなレインボースムージー(800円)など約20種。コンテナを改装したキッチンの屋根や側面にはイルカのイラストを描いて南国の雰囲気を演出しており「インスタ映えも楽しめる」(松尾さん)。

「カフェモハラ」で提供している長崎バーガーとレインボースムージー

 毎年1月の「のもざき水仙まつり」。松尾さんはスイセンだけでなく、春夏秋冬それぞれの季節に花を楽しめるようにと、店舗周辺に花を咲かせようと考えている。8月1日には地元の幼児や児童らを招き、店の周囲に200株のヒマワリを植えた。秋には店近くの土地にコスモスを植えることも計画中。いずれは、学校や家庭などに花の種を配布し、野母崎全体に花を咲かせたいと思っている。
 「かつてはドライブや海水浴の名所だった野母崎も、最近は若い人や家族連れが来なくなり廃れている」と松尾さんは言う。同地区には「長崎恐竜博物館」(仮称)の開設が計画されている。「野母崎が盛り上がれば、地区外の若い人が定着するきっかけにもなると思う。この店がその活性化のきっかけになれば」
 営業時間は午前11時から日没前後まで。原則毎週火曜と荒天時は休み。夜間の貸し切りなども受けつける。問い合わせは(電080.3987.7464)。

 


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