横須賀の老舗サウナ閉店 自衛官たちを癒やして44年「心のよりどころだった」

老舗サウナの閉店を惜しむ来客たち=11日、横須賀市内

 神奈川県横須賀市のサウナ施設「サウナトーホー」が11日、44年の歴史に幕を下ろした。

 トーホーは、カプセルホテルを併設する男性専用のサウナ施設。1976年の開業以来、周辺の歓楽街のにぎわいとともに繁盛したが、バブル期以降の街の衰退に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響が追い打ちをかけ、閉店することになった。

 横須賀という土地柄もあり、利用客には自衛隊関係者が多かった。最後の営業日に千葉県から宿泊に来た元海上自衛官(54)は30年以上前を思い起こし、「サウナトーホーに来れば(先輩や同僚など)誰かに会えた。心のよりどころでもあった」と閉店を惜しんだ。

 トーホーを運営する横須賀建物の代表取締役織茂明彦さん(67)は最後の利用客を見送り、「(お客さまは)サウナ好きなら年1回でも常連。心から感謝したい」と感慨深げだった。

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