避難所運営に不満の声 台風10号 長崎市職員にアンケート 「毛布がない」「入れない」など

 定例長崎市議会は11日、一般質問を続行し4人が登壇した。市は台風10号に伴い開設した避難所について、運営に携わった職員に当時の状況などを問うアンケートを実施すると明らかにした。避難所開設では、避難所の利用方法などの周知不足などが原因で市民から不満の声が多く寄せられていた。具体的な設問を組み込んだ調査は異例。市は、結果を避難所運営の手引の見直しなどの改善につなげたい考え。
 避難所運営の在り方をただした中西敦信議員(共産)への答弁。
 市防災危機管理室によると、市は台風10号の接近に伴い、6日には市内で260カ所の避難所を開設。過去最高の約1万2千人が避難した。一方、備蓄していた約9千枚の毛布が足りず、県から約2千枚を借りて対応。市によると、避難した市民からは「毛布がない」「避難所に行ったが入れなかった」「ペットはなぜ入れないのか」「空調がなくて暑い」などの声が多く寄せられたという。
 市は毛布の不足などの課題が明らかになったことを受け、9月中旬にメールで避難所運営にあたった市職員約560人にアンケートデータを送り、随時検証していく。内容は「避難所開設前から何人程度、市民が来ていたか」や「避難した市民からの声」「ペット同伴で避難した市民の数」など。
 同室は「アンケート結果を元に、地域との協議を重ね、協力しながら円滑な避難所の運営に努めたい」としている。
 今定例会は新型コロナ関連の議案審査を優先するため、一般質問に先立ち、常任委員会を開いた。2019年度の一般会計と特別会計、企業会計の決算議案計15件は各常任委員会に閉会中の審査を付託し、定例会は同日閉会した。

 


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