佐世保市 補正予算案撤回 指定管理料を算定ミス 議会に釈明、出し直し

 佐世保市は11日、開会中の定例市議会に提出していた本年度一般会計補正予算案を撤回した。新型コロナウイルス感染拡大に伴い臨時休業した指定管理施設の指定管理料を増額補正する予算案について一部誤った金額を計上していたことが発覚したため。
 市は、増額補正の対象だった施設の指定管理料など計約1億3200万円を減額した補正予算案を出し直し、各常任委員会で可決された。一部議員は「行政の立場としてあってはならない」「再提案の重みを認識するべき」などと指摘。市側は釈明に追われた。
 市によると、市内には観光、スポーツなど全63の指定管理施設がある。新型コロナによる緊急事態宣言を受け、47施設が4~5月に臨時休業。市は、休業中の収入減を補填するため、47施設のうち必要と認められる17施設の指定管理料の増額を決定した。
 国、県などが、臨時休業の影響を理由に支給する助成金は「収入」とみなし、この金額を差し引いた上で補塡するはずだった。しかし、対象施設のうち長串山公園の指定管理料では、これが差し引かれないまま補正予算案に計上され、本来より多い金額になっていた。
 同公園に関する予算案について、議会側から指定管理者への丁寧な調査などを求める意見が上がり、市は「再度十分な検討、精査を行うには一定の時間が必要」として議案を撤回した。

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