高速船乗客が骨折 高波やうねりで船体揺れ 西海沿岸商船、事故調査報告

 2019年1月、西海市沖で西海沿岸商船(佐世保市)の高速船「れぴーど2」(19トン)の70代女性客が重傷を負った事故で、運輸安全委員会は1日、事故調査報告書を公表した。船長が海象の悪化を見込んでおらず、社内で現場海域の特性を共有していなかったことが事故につながった可能性が高いと結論づけた。
 報告書によると、事故は19年1月26日午前11時25分ごろ発生。西海市沖を航行中、高波やうねりで船体が大きく揺れ、乗客14人のうち客室最前列の椅子席に座っていた女性が腰椎圧迫骨折などの重傷を負った。
 当時、強風と波浪の注意報が出ていた。報告書では、潮流と北西風により波が高くなる海域の特性を社内で共有できていなかったと指摘。同社は海象の悪化が見込まれる場合、乗客を後方席に案内するなど再発防止策を講じたことも盛り込んでいる。

 


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