高齢者の買い物に 福祉車両を無償貸与

地域住民らに見送られ、買い物支援のため出発する福祉車両=佐世保市小佐々町、市社会福祉協議会小佐々支所

 佐世保市社会福祉協議会(深堀寛治会長)は1日、空き時間の福祉車両をボランティア団体に無償で貸し出し、高齢者の買い物の送迎に活用してもらうモデル事業を同市小佐々町で始めた。
 斜面地などに住む交通弱者の外出支援が目的。社協が運営する介護施設には送迎用の福祉車両があるが、午前10時から午後3時までの時間帯は空いている。この間、同町のボランティア団体「こさざ・すまいる会」(鴨川幸次会長、18人)に貸与。団体のメンバーが車を運転し、矢岳地区周辺の住民宅と商店を回る。運行は毎週水曜日。料金は1回500円。
 社協小佐々支所であった出発式には住民ら約50人が出席。深堀会長は「この地域は互いに助け合う共助の雰囲気が高い。小佐々のいい所を見せてほしい」、鴨川会長は「ゆくゆくは活動が市全域に広がれば」とそれぞれあいさつした。
 第1便には7人が乗車。野菜や精肉を購入した深江満智子さん(84)は「顔見知りの住民と一緒に買い物ができて楽しい」と笑顔で話した。
 社協は来年2月ごろに事業の成果を検証。2022年度に市内全域へ広げる方針。

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