長崎銀行 開地龍太郎頭取「存在感発揮に手応え」 【連載】十八・親和 合併の行方 インタビュー編

「県内ナンバー2の銀行として存在感を示せるようになってきた」と語る開地頭取=長崎市栄町、長崎銀行別館

 長崎銀行(長崎市)の開地龍太郎頭取は長崎新聞のインタビューに応じた。1日発足した十八親和銀行(同)に対抗するために強化した法人営業について「県内ナンバー2の銀行として存在感を示せるようになってきた」と手応えを語った。

 -旧十八銀行と旧親和銀行の合併条件となった借り換えサポート(債権譲渡)の受け皿となった。
 当行はもともと住宅ローンや消費者ローンなどのリテールが強みで、事業性融資のウエートは低い。同じ西日本フィナンシャルホールディングス(FH)傘下の西日本シティ銀行(福岡市)と比べても、十八と親和から引き受けた件数や金額は少なかった。しかも全くの新規取引は2割程度。両行から取り戻されるケースもあった。
 -十八親和の壁はやはり厚いか。
 相手は県内で絶対的な存在であり、ガリバー銀行。多くの企業にOBが在籍しており、われわれの提案も通りにくい。
 -そんな中、法人営業を強化した。成果は。
 西日本シティから7人を投入し、11人体制に増強した。1月以降、当行と取引がない十八親和の顧客約2千社を回った。地道な営業が実を結び、私が頭取に就いた昨年6月から今年8月末までに、事業性融資は400件増、残高を150億円増やせた。
 (金融機関間の)適正な競争環境を維持することが本県経済の発展、お客さまのためになる。十八親和の壁を少しずつ切り崩していきたい。
 -新型コロナウイルスで顧客ニーズが変わったか。
 4月以降、十八親和合併で1行取り引きとなる企業から「資金調達窓口を増やしたい」との声をさらに聞くようになった。先行きが見えない中、経営者が「助けてくれる銀行は多い方がいい」と考えるのは当然。
 -十八親和は店舗統合などで捻出した余剰人員を新しい収益分野に振り向ける。
 統合合併作業を終えれば攻めの営業に転じ、銀行間の競争は激化するだろう。これからが本当の勝負だ。攻勢に負けないよう、当行はこれまで以上に動かなければならない。私自身も多くの取引先との関係構築に励んでいる。西日本シティの法人ソリューション部と連携し、当行単独では難しい案件にも迅速に対応している。コロナ禍で悩む経営者にさまざまなアドバイスをしてお役に立ちたい。

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