2020ウェブ総文 書道部門で全国2位 宇野さん(西海学園3年)  大胆さ、字配りなどに重点

文化庁長官賞受賞を喜ぶ宇野さん=佐世保市春日町、西海学園高(同校提供)

 新型コロナウイルス感染防止のためインターネット上で開催中の第44回全国高校総合文化祭(ウェブ総文)の書道部門で、佐世保市の西海学園高3年、宇野美早(みさき)さん(17)の「白居易(はくきょい)詩」が2位の文化庁長官賞(2点)を受賞した。宇野さんは「頑張ってよかった」と喜びを語った。

 同部門は、各都道府県から選出された300点をウェブ総文公式サイト上で、7月末の開幕当初から公開中。来年2月、東京都で開催予定の「優秀作品展示」のための審査を9月末までに実施し、最高賞の文部科学大臣賞(1点)をはじめ入賞作46点を選んだ。
 宇野さんは高校2年から、漢字の最も古い書体「篆書(てんしょ)」に挑戦。「自由奔放でおもしろく、美しい造形に心をひかれた」と振り返る。古典などを手本にまねて書く「臨書」に日々励んだ結果、昨年夏の県高校文化連盟書道部門の第18回揮毫(きごう)大会で、今年の全国高総文祭の出場権(長崎県代表3人)を獲得した。
 昨年末から出品作に着手。構成などを考え、作品に中国・唐時代の詩人である白居易の詩を選び、古代の青銅器などに刻まれた文字「金文」を使って書いた。大胆さや字配り、線質の緻密さ、墨量の変化などに重点を置き、約4カ月かけ完成させた。ウェブ総文の作品講評で受賞作は「篆法を会得し、金文の豊かな造形性を追求し、個性豊かに表現した」と評価された。
 「思い通りに書けない時こそ、やめるのではなくとことん書き続けた。できることをやり切った作品で受賞できたことは自信につながる」と宇野さん。「自分だけの表現で人の心を動かすことができるよう、これからも書に励んでいきたい」と声を弾ませた。
 宇野さんら長崎県代表3人の作品は、同サイトで10月末まで公開中。同サイトのアドレスはhttps://www.websoubun.com/

宇野さんの「白居易詩」(ウェブ総文HPから)

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