遠隔ロボットで買い物体験 南島原・小林甚製麺が実証実験

遠隔操作ロボットを使った買い物体験=南島原市西有家町、小林甚製麺

 長崎県南島原市西有家町の小林甚製麺(小林甚一代表)は、遠隔操作ロボット技術「アバター」を使った買い物体験サービスの実証実験に取り組んだ。新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、来店することなく自宅で気軽にショッピングを楽しんでもらおうと企画した。
 アバターとは「分身」という意味。ANAグループのアバターイン(東京)が遠隔操作ロボット「newme(ニューミー)」(高さ約1.5メートル、重さ約15キロ)を独自開発した。
 ニューミーは上部の画面が「顔」となり、床に接する四輪の「足」で動く。リモート環境の客がパソコンで「分身」のように操って店内を回ったり、店員と会話したりする。小林甚製麺は先月10日から9日まで、1台を無償で借り受けた。
 8日午前は、東京の30代夫婦が専用サイトからアクセス。ニューミーを動かしながら陳列された商品を見て回った。店員は画面に映る客と会話し、お薦め商品をアピール。「焦がしにんにくラーメン」「わかめそうめん」「あごだしスープ」の3点を販売した。
 接客した馬場真美さん(43)は「アクセスから決済までの時間が約30分間なので、お客さまの好みや、求める商品を早く察知しなければならなかった。特徴がしっかり伝わるよう表現力を磨きたい」と話した。
 小林代表(59)は「1カ月で計24件のアクセスがあった。商売の基本は店舗販売だが、コロナ禍でネット注文は前年同期比1.6倍と増加傾向にある。(ロボットを)また借りられる機会があれば、工場見学して店舗を巡る買い物ツアーなども考えたい」と期待を寄せていた。

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