被爆2世のゲノム解析「重要な研究」 長崎県内被爆者、「慎重に」の声も

 放影研が被爆者と被爆2世のゲノム解析の準備を進めていることについて、本県の被爆者や被爆2世からは19日、「重要な研究」だとの指摘の一方、得られた情報の慎重な取り扱いを求める声が聞かれた。
 日赤長崎原爆病院名誉院長で被爆者の朝長万左男さん(77)は、放射線被ばくの遺伝的影響を探る上で「絶対に必要な研究だ」と評価。ただ「仮にDNAの傷が遺伝したとしても、それが病気を引き起こすかどうかはさらに研究が必要になる」と指摘、息の長い取り組みになるとの見方を示した。
 一方、全国被爆二世団体連絡協議会特別顧問の平野伸人さん(73)は「ゲノム解析でどこまで影響が分かるのだろうか」と疑問を口にする。ゲノムは個人情報だとし、「目的外で使われないか不安に思う2世は多い。放影研はくれぐれも慎重に取り扱ってほしい」と求めた。

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