長崎県の日本ベネックス 国内初「ノンファーム型」メガソーラー稼働 千葉で

国内で初めてノンファーム型接続で稼働したメガソーラー=千葉県印西市(日本ベネックス提供)

 一般産業用機械・装置製造業の日本ベネックス(長崎県諫早市)は、千葉県内の物流施設屋上で出力約3メガワットのメガソーラーを稼働させた。出力は、1棟の屋根借りメガソーラーとしては国内最大級。電力系統混雑時の出力抑制を前提に新規電源の接続を認める「ノンファーム型」による稼働は国内で初めてとなった。
 設置先は、同県印西市で伊藤忠系会社が運用する大規模物流施設「アイミッションズパーク印西」(5階建て約11万平方メートル)の屋根。年間約318万キロワット時の発電量を見込み、一般家庭約900世帯分に相当する。固定価格買い取り制度(FIT)により1キロワット時当たり13.45円で東京電力に売電する。
 ノンファーム型接続は、再生可能エネルギー普及のため電力系統を有効活用する新たな運用ルールで、国が推進している。太陽光発電量が増える晴天時など、大手電力会社の基幹系統(送変電設備)に空き容量がなくなるときには出力を抑えるという条件で、発電事業者に系統接続を認める。東京電力が千葉県で試行し、日本ベネックスが稼働1号となった。
 日本ベネックスが保有する自社発電所は23カ所目で、出力は計約20メガワット。このうち屋根借りは7カ所、計約11メガワットを占める。小林洋平社長は「ノンファーム型接続によってメガソーラーを導入できるエリアは広がる。今後は年間3、4カ所整備していきたい」としている。


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