「発表の場に感謝と喜び」 神奈川・相模原弥栄高音楽科 29日に定期演奏会

本番に向けて練習を重ねる生徒たち。オーケストラ(前側)と演者(後側)の間にはアクリル板が設けられている=相模原市中央区の県立相模原弥栄高校

 県立相模原弥栄高校(相模原市中央区)音楽科の生徒が29日に同市内のホールで開く定期演奏会で、楽器演奏やオペラを披露する。新型コロナウイルス感染防止のため、演者が向かい合って歌ったり、手を触れたりしないように工夫を凝らし、本番に向けて熱のこもった練習を続けている。

 同校は音楽科のある唯一の県立高校。演奏会には2、3年生が中心のオペラ「魔笛」の演目があり、80人弱がオーケストラ演奏や歌唱、演技を披露する。

 本来は5月に上演する予定で、昨年11月から準備してきたがコロナ禍により学校は今年3月から臨時休業になり、上演は中止となった。6月に分散登校で学校が再開。生徒はビデオ通話アプリなどを使って音を合わせる練習を自宅で重ね、9月になってようやく全体練習が本格化したという。

 飛沫(ひまつ)感染を防ぐため、なるべく演者同士が向き合って歌わないよう演出を変更し、手を握る場面も手を近づけるだけにした。演者全員がマスクを着用するため、練習では表情が見えづらくても感情を的確に伝えられるよう、体全体を使った表現を重点的に確認。オーケストラの奏者と演者の間にはアクリル板を立てて行っている。

 「これまで学んできたことの集大成を披露したい」とオーケストラのまとめ役を務める3年の野村風和さん(17)。合唱リーダーで3年の小沢三葉さん(18)は「発表の場を持てることに感謝し、その喜びを舞台で表現したい」と意気込んだ。

 感染防止のため、演奏会には保護者や関係者のみを招待するという。

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