有明海タイラギ母貝団地 7月豪雨で激減 造成や開発継続へ

タイラギ母貝団地の状況などが報告された有明海漁場環境改善連絡協議会 =佐賀市、ホテルニューオータニ佐賀

 有明海再生に向け、国と沿岸4県、各県漁業団体でつくる有明海漁場環境改善連絡協議会が28日、佐賀市内で開かれた。国は、タイラギ受精卵の供給能力を持つ成貝を干潟に移植した母貝団地の生残数が、7月豪雨の影響で激減したことなどを報告した。
 冒頭を除き非公開。4県は2018年度から3年かけて、2万個の母貝団地の造成を目指し、4県13カ所に約10万6千個を移植。約4万5千個が今年6月末時点で生残していたが、豪雨による海水の低塩分化や土砂堆積で、8月末には約4100個まで減少した。
 タイラギの種苗生産は、熊本を除く3県で実施。18年度から3年間で着底稚貝35万個の生産を目指していたが、8月末時点の合計生産量は約9万6千個。
 国は終了後、母貝団地造成と種苗生産の目標達成が難しい状況について「現時点で(評価は)難しい。本年度末に総括する」と説明。自然災害のリスクを低減した母貝団地の造成や種苗生産の安定化に向けた技術開発を来年度以降も継続する考えを示した。

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