支援や情報発信を 長崎サミットで「オープンイノベーション宣言」

オープンイノベーション宣言をした長崎サミット=長崎市大黒町、ホテルニュー長崎

 長崎地域の活性化へ産学官7団体トップが一堂に会する「長崎サミット」は4日、長崎市内で会合を開いた。2025年までの新たなプロジェクトとして、長崎をオープンイノベーションの拠点とすることを掲げ、長崎サミットが連携の支援や情報発信をしていく方針を確認。「オープンイノベーション宣言」をした。
 オープンイノベーションは、企業や大学、市民らが分野や立場を超えて、技術革新や課題解決につなげる手法。県内では現在、大学、自治体、民間が連携した十数件のプロジェクトが進んでいるという。
 会合ではデジタル化の加速で、今後5年間が活性化のチャンス、正念場と位置付け、連携の範囲を大都市圏など県外に広げていく必要性を確認。より実効性のある横断的な体制づくりへ、連携を支援し、情報発信していく。
 宣言は▽経済活性化につながる具体的な取り組みを加速させる▽外部連携の輪を広げ、長崎をオープンイノベーションの拠点とする▽“長崎がおもしろい”を広げる-の3項目。進行役を務めた日銀長崎支店の下田尚人支店長は「成果を出し、長崎で面白いことが起きていると広まれば、長崎に人が集まってくる」と意義を説明した。
 意見交換で、長崎市の田上富久市長は「出島のあった長崎がオープンイノベーションの聖地になれれば」、中村法道知事も「大学生ら若者が関わることで地域定着につながっていく」と期待を込めた。長崎商工会議所の宮脇雅俊会頭は、活性化のためには地元の若い経営者の参加も不可欠とし「交流拠点や人、金のリソースが必要。県有地の活用や助成金の予算化など積極的なサポートをお願いしたい」と要望した。
 今後5年間の重要な取り組みとして、21年の長崎開港450周年やMICE(コンベンション)施設開業、22年秋の九州新幹線長崎ルート暫定開業などをリンクさせ、積極的に情報発信して経済効果につなげていくことを確認。新型コロナウイルス感染拡大防止と経済の両立を推進することも申し合わせた。
 長崎サミットは10年から年2回開催。10年を一区切りに、今回から新たなスタートを切った。

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