九州高校野球初V 大崎1年生左腕 勝本1失点完投

【決勝、福岡大大濠―大崎】4安打1失点で完投した大崎の1年生左腕勝本=県営ビッグNスタジアム

 第147回九州地区高校野球大会最終日の6日、長崎市の県営ビッグNスタジアムで決勝が行われ、長崎第1代表の大崎が初優勝を飾った。
 エースだけじゃない。大舞台で、それを鮮烈に印象付けた。準決勝まで一人で投げ抜いた坂本に代わり、今大会初登板となった大崎の1年生勝本が1失点完投でチームを優勝に導いた。181センチの長身左腕の頑張りに、清水監督は「回を重ねるごとにコントロールが良くなっていった。本当に先が楽しみな選手」とさらなる期待を寄せた。
 初回に先制本塁打を浴びても落ち着いていた。「絶対に点を取ってくれる」。ここまで逆転や接戦で勝ち上がってきたチームへの信頼が気持ちを支えた。120キロ台後半の直球とカットボールを主体に組み立て、指揮官の言葉通り、五回以降は二塁すら踏ませない圧巻の投球。テンポはどんどん上がっていった。
 先輩の存在も大きかった。前日に昨季のエース田中が個人練習に付き合ってくれた。「体重を後ろに残さないように腕を振り、どんどんいけ」。試合前には坂本からも励まされると、その右腕がつくってきた試合にも負けない1時間42分という早さでゲームセット。瞬間、全身で喜びを表現した。
 福江中出身。「清水監督に指導を受けたくて」五島から大島へ。地域の声援も背に「常に成長を感じられている」。
 次の目標は憧れの甲子園のマウンド。投手の大きな成長期と言われる冬の間に球速も体格も一回りレベルアップして「いつでもいけるような、信頼されるピッチャーになる」と誓った。


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