秋篠宮さまが皇位継承順1位の皇嗣(こうし)となられたことを国内外に示す「立皇嗣(りっこうし)の礼」が8日、皇居・宮殿で催された。当初は4月19日に行われる予定だったものの、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、延期されていた。昨年4月の上皇さまの「退位礼正殿の儀」から続いた天皇代替わりの儀式が幕を閉じた。(共同通信)
秋篠宮ご夫妻は午前9時すぎ、東京・元赤坂の赤坂御用地内にある「御仮寓所(ごかぐうしょ)」を出発。悠仁さまが見送る中、皇居へ向かった。
赤坂御用地前には、秋篠宮さまを一目見ようと人々が集まった。
中心儀式である「宣明の儀」は午前11時ごろ、宮殿の中で最も格式の高い「松の間」で始まった。
天皇陛下は、古式装束「黄櫨染袍(こうろぜんのほう)」を身にまとい「本日ここに、立皇嗣宣明の儀を行い、皇室典範の定めるところにより文仁親王が皇嗣であることを、広く内外に宣明します」と述べられた。
続いて、「黄丹袍(おうにのほう)」を着た秋篠宮さまが「立皇嗣宣明の儀をあげていただき、誠に畏れ多いことでございます。皇嗣としての責務に深く思いを致し、務めを果たしてまいりたく存じます」と述べ、皇嗣としての決意を語った。傍らには装束姿の紀子さまが立った。
儀式には成年皇族のほか、三権の長や地方自治体の代表、外交団長ら46人が参列。感染拡大を防ぐため両陛下と秋篠宮ご夫妻らを除き、出席者はマスクを着用した。
儀式終了後は、鳳凰(ほうおう)の間に移り、秋篠宮さまは、皇太子の印として伝わる「壺切御剣(つぼきりのぎょけん)」を陛下から授けられた。
秋篠宮ご夫妻は宮中三殿に向かい、午後0時半ごろからそろって拝礼した。
午後4時半からの「朝見の儀」では、秋篠宮さまが「力を尽くしてまいりたく存じます」と両陛下に感謝。陛下は「皇嗣としての務めを立派に果たしていかれるよう願っています」と応じた。
今回、祝宴である「宮中饗宴(きょうえん)の儀」や一般からの記帳は中止となった。