止まらぬ生徒数減 小規模校、全体の4割に

1年生が2クラス以下の長崎県立高(2020年度現在)

 第1期県立高校改革(2001~10年度)では、学校の統廃合のほか総合選抜制度の廃止、離島留学制度や中高一貫教育の導入などを進めた。01年3月末時点で約2万人いた中学校卒業者は、その後の10年で約5300人減少した。
 本年度までの第2期(11~20年度)では、小規模校を維持する方針で「地域に根差した教育」に主眼を置いた。各校の特色を打ち出すため、国際科や福祉科など学科・コースの再編を推進。一方、第2期の10年間で中学校卒業者は約3500人減少し、今年3月末は約1万2千人にまで落ち込んだ。今後10年間でさらに約1200人減少すると予想する。
 1年生が2クラス以下の高校は、第1期が始まった01年度は14校。統廃合の結果、第2期開始の11年度に10校になったが、生徒数減少とともに19年度末には15校に増加。学校全体に占める割合は30.9%から43.6%までに膨らんだ。
 こういった現状を受けて第3期では、基本方針に再び統廃合を含めた学校再編への考え方が明記された。ただ、地域振興の観点を考慮することを掲げ、県教委は「小規模だからといって自動的に廃校を進めるわけではない。学校が地元で果たす役割を十分に協議した上で、慎重に進めていく」としている。


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