バイデン氏 勝利 基地の重要性「不変」 安保戦略には不安の声

 米海軍佐世保基地が置かれ、日米関係の影響を受ける佐世保市。識者からは、基地の重要性は「不変」との声の一方、バイデン氏の安保戦略を不安視する意見も聞かれた。
 同基地は、米海軍艦船の燃料・弾薬補給拠点。元海上自衛隊佐世保地方総監の吉田正紀氏(63)=米国在住=は、佐世保に最新鋭強襲揚陸艦「アメリカ」が配備されていることや、朝鮮半島、沖縄に近い補給基地であること、競争から対立へと変化しつつある米中関係の現状から「何かあれば佐世保が拠点となる。佐世保の重要性は変わらない」と強調する。
 トランプ氏は、在日米軍駐留経費で日本に負担増の圧力を掛けたが、東アジア地域安全保障が専門の長崎大非常勤講師、篠崎正人氏(73)は「バイデン氏は多国間主義を重視しており、防衛予算の増額を求めてくる可能性が高い」とみる。中長期的に在日米軍は縮減し、自衛隊の装備拡張を促したり、米軍と自衛隊の訓練の増加などが想定されるとの見方を示した。


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