三浦半島にゆかりのある現代美術家、倉重光則さん(74)と天野純治さん(71)の展覧会が、横須賀美術館(横須賀市鴨居)で開かれている。作品の装飾性を最小限にそぎ落とす「ミニマリズム」から出発した2人。会場では近作を中心とした独創的な作品約50点が紹介され、来館者の目を楽しませている。
倉重さんは三浦市在住。明るすぎる光が活字などを見えなくさせる作用に興味を持ったことから、蛍光灯や発光ダイオード(LED)など光を使った大型作品を手掛けてきた。
展示されている「光と物の間」は、暗い展示室の床に複数の青いネオンが置かれ、その光線が壁や掛けられている額の表面に反射。鑑賞者自身がさまざまな発見ができる空間そのものを作品にしている。
天野さんは葉山町在住。版画技法の一つ「シルクスクリーン」を使った平面作品などを展示している。
2000年ごろから手掛けているシリーズ作品「field of water」は、紙の上に透明性のある絵の具を刷り、何層も重ねることを繰り返して制作。透明な色彩を形にしたような作品になっている。ほかに、鉛などを素材に使った作品も並ぶ。
同館は「倉重さんの空間ごと体験してもらう作品と、独自の技法を使った物質感の異なる天野さんの作品を見てもらいたい」と呼び掛ける。
「倉重光則+天野純治展」は12月25日まで。同7日休館。一般千円。問い合わせは、同館、電話046(845)1211。