中東ソマリア沖アデン湾で海賊対処に従事した海上自衛隊の護衛艦「おおなみ」が24日、海自横須賀基地(神奈川県横須賀市)に帰港した。7カ月にわたる航海では日米印豪共同訓練「マラバール2020」にも参加し、他国海軍との連携を強化した。
おおなみは4月26日に同基地を出港。5月下旬から10月下旬まで同海域で海賊対処に当たり、その後インド洋ベンガル湾でのマラバールに参加した。マラバールは今年は豪海軍が加わり、日米印と共に4カ国で実施。おおなみは今月3日から6日の訓練に参加した。共同訓練は海洋支配を強める中国を念頭に連携を強化する狙いがあるとみられる。
帰港後、湯浅秀樹自衛艦隊司令官は、新型コロナウイルス感染防止のため寄港地での上陸が制限されるなど困難な状況下での任務完遂をたたえた上で、マラバ-ル参加にも触れ「各国軍との強固な信頼関係の醸成に寄与してくれた」と強調した。
海賊対処は、日本にとっても重要な海上交通路であるソマリア沖アデン湾で2000年代後半から増加した海賊行為を国際的に取り締まるための安全保障協力。09年から護衛艦や哨戒機が派遣されて他国軍と共に継続的に任務に当たり、同海域での海賊等事案は11年の237件をピークに減少し、19年には0件になった。