檜風呂のリフォーム|導入時のメリットや費用、お手入れ方法などを解説

お風呂は単に体の汚れを落とすだけでなく、リラックスできる癒やしの空間でもあります。とくに日本には浴槽の中でゆっくりとした時間を過ごす習慣があるため、バスタイムを大切にしている方も多いでしょう。

近年ではユニットバスが増えているものの、昔ながらの檜風呂に憧れを抱いている方も決して少なくありません。こちらでは、檜風呂へのリフォームする際の費用相場や導入時のメリット、そしてお手入れの方法なども解説します。

檜(ひのき)風呂の魅力・メリットとは?

檜風呂は日本で古くから愛されてきました。一般家庭ではそれほど多くは見られなくなりましたが、温泉旅館などへ行けば今でも入ることができます。まずは、檜風呂の魅力やメリットなどについてご紹介します。

ヒノキの香り成分にはストレス解消効果がある

檜風呂の魅力といえば、天然木ならではの「香り」です。ゆっくりとお湯につかっているだけで森林浴をしている雰囲気になれて、心身ともにリラックスできます。事実、檜の香りにはストレス解消効果があるとされているほか、脳の活性や、自律神経を落ち着かせて体調を整えるといった効果も期待できます。もちろん、感じ方には個人差がありますが、檜風呂で入浴すると快眠できるようになったという声も聞かれます。

殺菌、脱臭、消臭効果がある

木のお風呂というと、汚れやすく、カビが発生しやすいイメージを抱いている方も多いかもしれません。しかし、檜には殺菌や脱臭、消臭効果もあります。そのため、お風呂場をいつも衛生的に保ちやすいというメリットがあります。

デザイン性にこだわったお風呂を設置できる

檜風呂には近年主流になっているユニットバスや、タイル張りの在来工法の浴室ともまた違った独特の雰囲気が魅力的です。檜素材には温かみがあり、落ち着いた印象を出せるため、和風建築にも違和感なくマッチします。もちろん、洋風の住宅にも似合うため、活用の際にはモダンな空間を意識するとよりなじみやすいインテリアになります。

自宅の浴槽を檜風呂にリフォームする|費用や工期

檜風呂はユニットバスで安価に導入することもできますが、木材の産地や床・壁・天井など、全体のグレードをアップさせると、高額なリフォーム費用が発生することも。浴槽の交換や設置の際は、どの程度まで予算を組めるか考慮しましょう。

檜風呂の価格と費用

檜風呂にもさまざまな種類がありますが、一般的な1200×750×600mmの長方形サイズのものであれば、相場は約50万円です。より小さいサイズなら30万円から購入できます。設置費用については工事の内容や施工箇所によって異なります。浴室全体を檜風呂に合うようにリフォームするのであれば200~300万円ほどかかることがあります。

ただ、一般的なユニットバスの場合も全体をリフォームするとなれば同じくらいの費用がかかるケースもあります。檜風呂へのリフォームだからといって、極端にお金がかかるというわけではありません。ただし、大きさや形、木材の品質などにこだわる場合は一気に予算は跳ね上がります。

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檜素材のユニットバスを導入することも可能

ユニットバスというと、一般的には洋風のものをイメージする方が多いかもしれません。事実、樹脂製の洋風仕様が中心ですが、なかには檜素材のものもあります。表面だけ檜素材を使用している安価なものもあれば、本格的な檜風呂を採用したユニットバスもあります。ユニットバスであれば、コスト・工期を抑えることができ、マンションへの導入も可能です。

檜風呂の工期

檜風呂を設置するだけの場合、工期は1~2日です。ユニットバスの交換に加えて浴槽を檜風呂にするリフォームの場合、ユニットバス工事(1日程度)にプラスして1~2日かかります。ただ、もともと檜素材が使われたユニットバスを選んでおけば、1日で設置することも可能です。浴槽のみでなく、浴室全体のリフォームをするとなれば希望に応じてある程度の日数がかかる可能性があります。導入の際に施工会社へ確認しましょう。

檜風呂のお手入れ方法は?

檜は天然素材のため、お手入れの方法が気になるという方も多いかもしれません。一般的な浴室用洗剤は樹脂やタイル素材のお風呂に使用することが前提となっているものが多いです。檜素材のお風呂のお手入れ方法は難しい作業ではありません。以下では普段から行うべきお手入れ方法を解説します。

浴槽のお湯を排水する

まず、浴槽のお湯をすべて排水します。檜風呂の最大の敵はカビです。使用後は、しっかりとお湯を抜いておくことが大切です。

抗菌作用のある柔らかいスポンジやブラシで汚れを落とす

お湯を抜いたら、スポンジやブラシを使って汚れを落とします。注意すべき点は、檜素材はとてもデリケートで、固いもので擦ると傷ついてしまうリスクがあります。傷に汚れがたまってしまうこともあるため、使用するスポンジやブラシはできるだけ「柔らかい」素材のものを使用しましょう。洗剤は檜風呂のような木製の浴槽にも使えるものを使います。

シャワーで洗い流し、乾いたタオルで水気を拭き取る

汚れを落としたらシャワーで全体を洗い流します。汚れが残っているとそこから雑菌などが繁殖したり、カビが発生することにつながります。劣化や腐敗の原因になるため注意が必要です。しっかりと洗い流した後、浴槽の表面を乾いたタオルで拭き取ります。水分が残っているとカビが発生することがあるため、必ず拭き上げるようにしてください。

浴室を換気して、直射日光は避ける

最後に浴室を換気して自然乾燥させます。浴槽をしっかりと拭いても浴室にはまだ湿気がこもった状態となり、そのままにしているとカビの発生原因となります。ただし、直射日光に当てるのは避けましょう。

乾燥のしすぎに注意

檜風呂を乾燥させすぎてしまうと内部の水分が完全に抜けきってしまって、木材が割れる原因になります。そうなると浴槽が水漏れすることもあるため注意が必要です。長期間お風呂を使わない場合は、ある程度の湿気を保てるよう、浴槽内に水を張ったバケツや洗面器などを置いておきましょう。

檜風呂を選ぶときの注意点

ひと口に檜風呂といっても、さまざまな種類があります。せっかくリフォームして設置するのであれば、できるだけ良いものを選びたいものです。こちらでは、檜風呂を選ぶ際に注意すべき点を紹介します。

檜を選ぶときのポイント

檜はどれも同じように思えるかもしれませんが、品質には大きな違いがあります。品質が悪い檜風呂だと、見栄えが悪いだけでなく長く使用できない可能性も。ただ、慣れない方は見分けがつかないこともあるでしょう。その場合は、専門業者に聞いてみるのがおすすめです。

国産の無垢材を使用しているか

檜といえば日本の木というイメージがあるかもしれませんが、海外にも近い種類の木があります。アメリカに生育している米檜と呼ばれる木もそのひとつです。日本の檜とよく似た香りもあり、住宅などに使用されることもあります。

木材としての特徴は似ているものの、やはり日本で使用するのであれば、近い環境で育っている国産檜の方が適しています。とくにお風呂は湿気が多く、ダメージを受けやすい部分でもあるため、耐久性の観点からも国産のものを選ぶべきでしょう。

また、無垢材であることも重要なポイントです。スライスした木材を貼り合わせた積層合板の檜などもありますが、耐久性の面で劣るのみでなく、無垢材と比較すると檜そのものの暖かさや柔らかさなどはあまり感じることができません。檜風呂ならではの魅力も落ちてしまいます。

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人工乾燥機を使用して乾燥しているか

檜風呂を選ぶなら、木材の加工方法もチェックしておきたいポイントです。木材は切り倒してそのまますぐに使用できるわけではなく、しっかりと乾燥させる必要があります。乾燥しているものほど腐りにくく耐久性も高くなります。できるだけ人工乾燥機を使用してしっかりと乾燥させているものを選ぶことが大切です。

アフターフォローは充実しているか

檜風呂は樹脂などを使った浴槽とは違って、ひび割れなどによって水漏れが起こることもあります。そのほかにも、天然素材ならではのデリケートな面があるのが特徴です。しっかりとしたアフターフォローを受けられる業者に施工を依頼しましょう。

檜風呂の耐用年数は一般的に7~8年といわれています。その周期で再び工事をお願いすることになる可能性もあるため、長く付き合っていけるメーカーや業者を選ぶようにすることが大切です。修理の保証や対応の良さなど、さまざまな面を考慮して選びましょう。

檜風呂の耐用年数を延ばすためにすべきこと

前述の通り、檜風呂の耐用年数は一般的に7~8年といわれています。しかし、しっかりとしたメンテナンスをしながら使うことによって、20年以上使用できたという例もあります。せっかくリフォームして憧れの檜風呂を設置するのであれば、できるだけ長く楽しみたいもの。そこで、檜風呂の耐用年数を延ばすためにすべきことを紹介します。

こまめなお手入れとメンテナンス

何よりも心がけたいのは、使用後に掃除をする習慣をつけることです。一般的なユニットバスなどと比較すると面倒に感じられるかもしれませんが、習慣化してしまえばそれほど苦になりません。

また、近年の檜風呂は防水加工や木材の保護材などの塗装がされています。これによって耐用年数は長くなりますが、使っていると自然にこの塗装は剥がれてしまいます。そのため、効果が薄くなってきたと感じられたら塗り直しを行いましょう。常に防水加工や保護材が効いている状態を維持することができれば、それだけで檜風呂の耐用年数を延ばすことができます。

万が一、傷がついてしまった場合は、そこに水分や汚れなどがたまってしまい、カビが増殖してしまう可能性があります。場合によっては亀裂となって水漏れのトラブルなどを引き起こす可能性もあるため、できるだけ早く業者に相談するようにしましょう。アフターフォローのサービスが充実した施工会社であれば定期的なメンテナンスや急なトラブルにも柔軟に対応してもらうことができるため、設置の際の会社選びは最も大切です。

リフォーム会社は複数社で比較検討をしよう

リフォーム会社は1社だけに相談してそのまま決めてしまうのは避けたほうが無難です。できるだけ複数社で比較検討し、信頼できる会社を選ぶことが大切。こちらの希望・要望をしっかり聞いてくれて、的確なアドバイスをくれるところや、工事の内容についても細かく説明してくれる業者に依頼しましょう。

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