ウィズコロナと地方在住…サブスクで“アドレスホッパー”も誕生

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。11月4日(水)の放送では、ジャーナリストの長友佐波子さんが“ウィズコロナと地方移住”について述べました。

◆コロナ禍で企業側の関心も高まる在宅ワーク

総務省は2019年度に受け付けた移住に関する相談が、前年度比1万7,612件増の計31万5,744件と発表。4年連続で件数が増えており、地方移住に対する関心の高まりが伺えます。

地方移住が注目を集める要因の1つに「在宅ワーク(テレワーク)が広がったこと」を挙げる長友さん。そこで、まずは在宅ワークに関する現状を紹介。アメリカのガードナー社が実施した調査結果によると、コロナ禍で在宅ワークを取り入れた企業のCFOまたは財務責任者に収束後も在宅ワークを増やすか尋ねたところ、「増やす」が74%。また、仕事の割合を1割以上在宅にするが47%で、2割以上が23%で「経営側にとって在宅ワークは良かった。これが企業側の認識」と長友さん。

そうなるとオフィスの在り方も変化し、日本のザイマックス不動産総合研究所によると、オフィスと在宅ワークを併用する企業が、従業員1,000人以上の大企業ではおよそ3分の2を占め、100人未満の企業でも約4割。そして、メインオフィスを縮小する大企業が約2割、小規模企業でも7社に1社。

さらに地域別に見ると東京23区は約半数が在宅ワークを併用し、メインオフィスを縮小する企業が17.2%と「かなり多くの企業が在宅ワークを当たり前としていることがデータでわかる」と指摘。

◆新たなライフスタイル"アドレスホッパー”

こういった企業の変化とともに地方移住を巡る制度、さらには「民間の枠組みもいろいろとできている」と長友さんは言います。

本来、地方移住は都会の住居を引き払って地方に移住するのが主。最近は2拠点居住(従来型)もあり、これは例えば東京に拠点を置いたまま地方にマンションを買うなどすることですが、潤沢なお金がないと無理なのが現実。しかし、今は「多拠点居住」や「ワーケーション」が増え、その背景には「インバウンド向けだった事業が日本人の国内消費を狙っていこうと変わってきている」と指摘し、さらには「住むことのサブスクや泊まることのサブスクなど、さまざまなサービスが出てきている」とも。

例えば、「ADDress」は定額で全国各地に有する家に住み放題で、今やそういったサービスを利用して生活する"アドレスホッパー”なるライフスタイルも誕生。MCの堀潤の友人のアドレスホッパーは「友達のコミュニティが広がるからいい」、「各地域に地元ができる」と言っているとリアルな声を紹介。

総じて長友さんは、地方移住のメリット・デメリットで言えば、これまでは経済的にはいいものの、地方は文化がなく不便。そもそも仕事がなく、人間関係も煩わしく、さらには車社会などデメリットが多いとされてきましたが、サブスクなどのサービスが出てきたことで「いろいろなことが解消されつつある」と言及。

それこそインターネットの発達で仕事も可能になり、在宅ワークの普及で会議もオンラインが当たり前に。さらには娯楽もネット配信、5Gの登場でより便利になるなど、「もしかしたら東京にいなければいけないというのは幻想で、どこでもいいという時代が遂に来始めたのではないか」と長友さん。ひいては、「働き盛りの人たちが地方に行くと、東京一極集中問題ももしかしたら少しは解消されていくかも」と期待していました。

前横浜市長で元衆議院議員の中田宏さんも「東京から地方への分散は大賛成」。その一方で「それぞれの地域の拠点も必要」と言い、「そういったことが道州制とも繋がる」と話していました。

番組では、視聴者に「コロナ後、地方移住を考えたことありますか?」というテーマで生投票を実施。結果は以下の通りです。

◆コロナ後、地方移住を考えたことありますか?
ある……405票
すでにしている……150票
ない……1,632票

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

© TOKYO MX