陸自早岐射撃場の騒音軽減策 佐世保市防衛省などに要望

 陸上自衛隊早岐射撃場(佐世保市有福町)付近の住民が射撃音の騒音を訴えている問題で、佐世保市は9日、防衛省九州防衛局(福岡市)と陸自に実態を把握してもらった上で、騒音軽減策の検討を求める考えを示した。
 定例市議会一般質問で、古家勉議員(市民ク)に、北村敬男基地政策局長が答えた。
 同局によると、同射撃場は面積約77ヘクタール。1953~55年に米国から返還された後、57年から陸自が射撃場として使用している。訓練日数は2017年度が134日、18年度154日、19年度192日。18年3月の陸自水陸機動団発足後、増加傾向にある。
 周辺の江上地区住民は長年騒音被害を訴えており、米海軍佐世保弾薬補給所(前畑弾薬庫)を針尾島弾薬集積所(針尾弾薬庫)へ移転・返還する計画に同意する条件として、射撃場移転を市に要望している。
 市は射撃場周辺で約80デシベルを計測。市は住民の声を伝え、移転の可否を問い合わせたところ、陸自側は継続して使用する意向を示したという。北村局長は答弁で「国防を担う自衛隊にとって射撃訓練は必要不可欠」と理解を示しつつ、騒音の軽減が図れないか検討を要請することにした。

© 株式会社長崎新聞社