「核禁条約の効果」 核への投融資自制 レクナ中村氏講演

核兵器禁止条約の意義や課題を語る中村准教授=長崎市桜町、県勤労福祉会館

 核兵器の開発から使用までを全面的に禁じた核兵器禁止条約の来年1月22日発効決定を受け、長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)の中村桂子准教授が15日、長崎市内で講演。日本生命保険など生保主要4社が核兵器製造・関連企業への投融資を自制しているとの報道に触れ、「(2017年に国連で採択され、その後、批准が続いた)核禁条約(を巡る動き)の効果の表れ」との見方を示した。
 中村准教授は、投融資の自制は「世界が核兵器に対して新しい価値観を持った分かりやすい例」と指摘。広島、長崎の両被爆地だけでなく、世界で核廃絶を称賛する動きが広まることへの期待感を示した。
 一方で、核禁条約は核被害者援助の具体的な制度や、世界の核被害者の調査について明文化されていないことが課題の一つだとし、「原爆の惨禍を経験した日本政府こそ、(これらの課題に対し)唯一無二の貢献ができる」と強調。条約に反対している日本政府に、条約への参加を求めた。講演会は県被爆二世の会が主催した。

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