オーナー側は春季キャンプと2021年シーズンの開幕延期を希望

新型コロナウイルスの影響により今後の見通しが立たない状況が続くなか、「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲールによると、メジャーリーグ各球団のオーナーは2021年シーズンの開幕を5月まで延期することを希望しているようだ。あるア・リーグ球団のオーナーは「春季キャンプが2月に始まるなんて考えられない。その可能性はゼロだ。シーズンが140試合になろうが120試合になろうが80試合になろうが気にしない。みんなが安全であることが第一だ」と発言している。

このオーナーの発言に従えば、新型コロナウイルスの感染拡大が続くなかで春季キャンプを2月にスタートするのは不可能であり、春季キャンプのスタートが遅れることにより2021年シーズンの開幕も延期されるということになる。ポストシーズンを10月いっぱいで終了させることは変わらないと思われるため、シーズンの開幕延期はすなわち試合数の減少を意味するだろう。

新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されたばかりであることを考えると、メジャーリーグ各球団の関係者全員が2月の春季キャンプ開始までにワクチン接種を終えるのは難しい。あるナ・リーグ球団のオーナーはナイチンゲールに対して「選手たちは春季キャンプに合流する前にワクチンを接種することを求められるだろう。春季キャンプを4月に延期し、シーズンは130試合制でやればいいさ。162試合制でやるためにワクチンを接種せず通常通りに春季キャンプをスタートするのはクレイジーだ」と語っている。

さらに、開幕を遅らせることでファンにもワクチン接種のための時間的な余裕を与えることができる。ワクチン接種済みのファンが増えれば、シーズン開幕後の早い段階から有観客で試合を行うことも可能になるだろう。要するに、オーナーたちは無観客で開催される試合を可能な限り減らしたいというわけだ。

とはいえ、試合数の減少は選手たちにとってサラリーの減少を意味するため、選手会がオーナー側の提案を受け入れることはないだろう。選手会は通常通りの162試合制のシーズンを希望しており、両者の対立が激化していく可能性もありそうだ。

© MLB Advanced Media, LP.