総力戦で粘る V・ファーレン長崎、今季の戦い

V長崎の今季の戦い

 終盤まで激しいJ1昇格争いを繰り広げたV・ファーレン長崎。9戦負けなしのスタートダッシュ、9月の失速、崖っぷちからの巻き返し…。総力戦で粘ったが、あと一歩届かなかった。
 9436人の観衆が詰め掛けた開幕戦は、フレイレのゴールで栃木に競り勝った。その後、コロナ禍の影響で約4カ月中断。無観客で再開した第2節北九州戦は亀川が先制点を決め、ルアンの来日初ゴールで突き放した。第3節福岡戦は途中出場の富樫が2得点。劇的な逆転勝ちで流れに乗った。
 第5節琉球戦では、長崎市出身の大卒ルーキー毎熊がJ初ゴール。ドローで5連勝は逃したものの、大宮が敗れて単独首位に浮上した。開幕から9試合、一度も負けずにトップを快走した。
 第10節徳島戦は不用意なミスから失点し、今季初めて負けた。勢いに陰りが見え、第18節甲府戦に敗れて首位を明け渡した。第20節松本戦は2-0から追いつかれる悔しい展開で3位に後退。第22節福岡戦は守備陣を刷新する大胆策が通じずにホーム初黒星、続く徳島戦で初の連敗を喫した。9月は一度も勝てず、4位まで落ちた。
 この窮地から盛り返した。第28節愛媛戦はJリーグ通算500試合出場の玉田が直接FKでメモリアル弾を決め、大卒ルーキー氣田にも待望のJ初ゴールが生まれた。第30節水戸戦はエジガルジュニオが加入後初ゴール。第33節岡山戦は今季最多の5得点で、7戦負けなしを飾った。
 だが、第34節琉球戦は不運な判定でPKを獲得できずに惜敗。第36節松本戦は終了間際に同点弾を許し、第38節京都戦に敗れた。土俵際まで追い込まれながら、山形、東京V戦で連勝。逆転昇格を信じて踏みとどまったが、奇跡は起こせなかった。


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