全国学芸サイエンスコンクール 諫早農高が最優秀 シイタケ栽培に竹活用 自然科学研究部門

文部科学大臣賞を受賞した食品科学部メンバー=諫早市、県立諫早農業高

 長崎県諫早市立石町の県立諫早農業高食品科学部が、第64回全国学芸サイエンスコンクール自然科学研究部門で、最優秀賞となる文部科学大臣賞に輝いた。コンクールは旺文社主催で、今年は全国の小中高2345校から約7万3千点、同部門には427点の応募があった。
 受賞した研究題目は「放置竹林問題の解決法 子実体(しじつたい)栽培法への応用」。放置竹林による里山侵食や、土壌保持力低下で起こる土砂災害問題などを解決しようと、4年前に福岡県の企業に伐採した竹の活用法を依頼され研究を開始した。昨年、菌床栽培のシイタケやキクラゲなど通常は米ぬかを使用する栄養源の代わりに、成分が類似する竹を使用したところ、竹のミネラル成分で菌糸の増殖スピードが増加することが分かった。通常120日かけて成長するシイタケが約90日で収穫できるようになったほか、殺菌効果もあり有害なカビ類が減少することも突き止めた。
 同校2年で部長を務める渡邉梓月さん(16)は「放置竹林の減少につながるよう、多くの人に知ってもらえるとうれしい」と話した。表彰式は新型コロナウイルス感染症の影響で中止された。

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