コロナで生活困窮の相談が3倍に急増…今こそ必要な策は?

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。12月21日(月)放送の「ニュースランキング」のコーナーでは、コロナ禍で生活困窮者の相談が急増している現状について、議論を交わしました。

◆生活困窮者の新規相談が前年比3倍に!

生活困窮者に向け、全国およそ900の自治体に設置されている窓口相談「自立相談支援機関」で、新型コロナウイルスの感染が拡大した今年度上半期の新規相談が39万1,717件にのぼることが厚生労働省の集計でわかりました。前年同期比の3倍に急増しており、年末の雇い止めなどで困窮者がさらに増える可能性があるとして、厚生労働省は年末年始の支援体制を整えるよう各自治体に求めています。

「毎日新聞」ニュース配信動画「まいもく」MCの中嶋真希さんは「働いている人たちにとっては本当に切実な問題」と現状を危惧。なかでも弱い立場にいる人や子育てなどで時間の融通がきかない人から職を失う傾向があると指摘し、「(そういった人も)働ける場所を確保できるような支援策が必要」と訴えます。

そんな中嶋さんの意見に対し、MCの堀潤は「非正規(雇用)という働き方が産業界の雇用の調整弁とされ、人をコストとしてみなしてきた。その構造的欠陥がこういうときにしわ寄せが起きる」と持論を展開。

中嶋さんもそれに同意し、「人員を削減していくなかで、どれだけの人が苦しむのかを考えながら、雇用の面でもなんとか雇い続けられるような工夫が必要」とは言うものの、現実的にはこのコロナ禍で「なかなか難しいのは理解できるが……」ともどかしさを募らせます。

◆国が打つべき手立ては?

国はマイナンバーなどを展開しているだけに、堀が「本来であれば、再分配を丁寧にできる仕組みを持ってほしい」と嘆くと、ヘッドライン社長で早稲田大学研究院客員教授の一木広治さんも「おっしゃる通り、デジタル化が遅れている」と賛同。

さらには非正規雇用についても、その存在が「企業にとっては便利だった」と示唆。しかし、今やANAやJALが雇用を守るために多くの社員を他社に出向させていますが、その一方でIT企業などでは人材が不足しているそう。とはいえ、それもITスキルが高くないと働くことはできないため、「どういうスキルを身につけるかが大事」と一木さん。

海外ではコロナによる失業者対策として、給付金だけでなく職業訓練もセットにした制度設計をしている国もあるそうで、一木さんは「講習とセットで入社できれば雇用も長くなる。場当たり的なことよりもそういうことを考えたほうがいい」と話していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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