ピーエヌ機電(時津) 「はばたく企業」選定 航空事業の効率化策が評価

「はばたく300社」に選ばれたピーエヌ機電の橋本氏(中央)ら=西彼時津町西時津郷(撮影のためマスクを外しています)

 中小企業庁が選定する生産性向上、需要獲得、担い手確保のいずれかの分野で秀でた「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に、長崎県から4企業が入った。このうち金属プレス加工・機械加工業のピーエヌ機電(西彼時津町)は、市場拡大が期待される航空関連事業で、取引先と連携した調達・保管方法の効率化策が評価された。
 同社は1999年、橋本商会(長崎市)の製造部門から独立。高精度の加工技術で、産業用機械の部品のほか、航空機のメンテナンス用部品を製造している。従業員は32人。
 航空機のランディングギア(降着装置)修理メーカーにブッシング(軸の動きを受ける円筒状の加工部材)を納入している。その原材料はこれまで、県内の修理メーカーが県外の合金メーカーから取り寄せ、ピーエヌ機電が受け取っていたが、3社でスキームを見直し。ピーエヌ機電敷地内に合金メーカーの委託倉庫を設置し、納入時間の短縮や在庫管理業務の軽減につなげた。
 また、従業員に複数の工程を経験させて多能工を育成。業務の相互補助を促し休暇も取りやすくした。橋本進代表取締役は商社勤務経験を生かし、展示会出展や製品紹介専用サイト開設によるウェブマーケティングに取り組んでいる。
 航空産業は新型コロナウイルス流行の打撃を受け、同社の生産量も前年を下回っているが、橋本氏は「長期的には伸びる市場。今回の選出を弾みにはばたきたい」と話した。
 ほかに選定された県内企業は次の通り。
 ▽生産性向上=有田工業(諫早市)▽需要獲得=長工醤油味噌協同組合(長崎市)、マテックス(同)

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