プラ容器再生 県内で開始 二酸化炭素1日20.5キロ削減 弁当宅配のワタミ

宅配弁当を受け取り、空き容器を手渡す島田さん(左)=長崎市つつじが丘3丁目

 弁当の宅配を手掛けるワタミ(東京)が、12月から長崎県内で弁当のプラスチック容器のリサイクルを始めた。業界では珍しい取り組み。世界的な問題となっているプラスチックごみを減らし、二酸化炭素(CO2)の削減につなげる。
 「リサイクルは大賛成」。長崎市つつじが丘3丁目の島田美千子さん(85)は、同社スタッフの渡口節子さん(78)から弁当を受け取った後、前日食べ終わった空き容器を手渡した。
 同社の弁当宅配事業は本県発祥。県内で1日に約5700食届けており、約170キロのプラスチック容器を使っている。回収した容器は油とコークス、ガスに分解。この油を原料に新しい容器に再生する。CO2に換算すると1日約20.5キロの削減効果があるという。同社のスタッフが毎日弁当を届けて回収することでリサイクルの仕組みが可能になった。
 従来の容器は洗って繰り返し使うタイプで、利用者に返却してもらった後、高圧洗浄していた。リサイクルによって、洗浄に使っていた大量の水や劣化した容器の処分が不要になったという。
 リサイクルは2019年5月に開始。順次地域を拡大し、現時点で中部、北陸、関西、中国、四国、九州各地方の29府県で実施している。22年3月までに全国展開する計画。同社は「お弁当を届けるだけでなく、環境にも優しい取り組みを広げていきたい」としている。

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