ヤクルトの小川泰弘投手(30)が25日に東京都内の球団事務所で契約交渉に臨み、4年総額7億5000万円でサインした。小川は今オフ国内FA権を行使していたが、残留が決まった。
異例の〝長期戦〟だった。球団は9月には残留交渉は始めていたものの、12月4日に小川がFA権を行使。その後、1週間に2度会うなどして3度にわたる交渉が行われたが、正式契約は球団の業務が終了するこの日だった。
「環境を変えて挑戦をしていくのか、スワローズでもう一度優勝を目指して戦っていくのかというところで葛藤がありました」という小川は「他球団様の熱意を聞かせていただいて、リーグを変えて戦いたいと気持ちが動いた瞬間もありました」とも明かした。
ただ、他球団の評価は高いとは言えなかった。8月にノーヒットノーランをした直後にはセパの複数球団が調査に乗り出したが、その後の低迷で球界関係者の間には「10勝しても同じだけ負ける投手に年俸1億円以上というのは高すぎる」という声があった。
終わってみれば今季は20試合で10勝8敗、防御率4・61。規定投球回にも1イニング届かず達成できなかった。多くの球団が小川から手を引く中、ヤクルトは宣言残留を認め、提示した年俸も変えずに誠意を示し続けた。小川は「身にあまる評価をいただいた。個人として2桁勝利を積み重ねることが目標」と話した。
それにしても今オフのヤクルトは当初、山田哲、石山、小川とトリプルFA流出危機が叫ばれていたものの、3人全員残留に成功。球団フロントとしては万々歳の結果か。(金額は推定)