全国高校サッカー選手権初出場 長崎・創成館「積極果敢に」

全国高校サッカー選手権県大会で初優勝した創成館の選手たち。創部初となる全国舞台に挑む=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 第99回全国高校サッカー選手権は31日、首都圏8会場で開幕する。各都道府県代表48校(東京2校)が出場。決勝は来年1月11日に埼玉スタジアム2002で行われる。長崎県からは創成館が満を持して初出場。1月2日の2回戦からの登場で、同じく初出場の学法石川(福島)と対戦する。会場はさいたま市のNACK5スタジアム大宮で12時5分キックオフ。

 創成館は2011年春の久留監督就任を転機に県内強豪校に成長。主要県大会で6度の準優勝を経て、11月の選手権県大会で悲願の初優勝と初の全国切符をつかんだ。準決勝の国見戦でプロ内定ストライカーを抑え込み、決勝は延長後半ロスタイムに劇的ゴールを決めて長崎総合科学大付の5連覇を阻んだ。
 チームの持ち味は組織的な守備とテンポのいいパスワーク。DF江崎、主将のMF岩崎、FW新川ら足元の技術が高い選手が並ぶセンターラインを軸に、試合を落ち着かせて、どこが相手でも接戦に持ち込める安定感がある。県大会は全4試合無失点だった。
 2年生の台頭も頼もしい。サガン鳥栖ユース出身のMF村田は右サイドから積極的な仕掛けで攻撃にアクセントを加え、ガンバ大阪ユース出身のGK永田は長い手足を生かして窮地を救う。
 対戦相手の学法石川はパワープレーを武器に、18年度に全国4強入りした尚志を福島県大会で下してきた。球際の争いで優位に立てるかが勝敗を左右しそうで、江崎は「個で負けないことを意識して準備している」、新川も「自分が点を決めれば勝てる」と闘志を燃やす。
 初戦を突破すれば、8強入りを懸けた3回戦(3日12時5分・浦和駒場スタジアム)で、プロ内定の4選手を擁する昌平(埼玉)か、昨年の南部九州インターハイ3位の京都橘とぶつかる可能性が高い。難敵ぞろいのトーナメントだが、創成館も地道に、確実に力を養ってきた。ここまで大きなけがもなく、万全の状態で本番に臨めそうだ。
 久留監督は「いつも通り最初からいく。構えるのではなく、どうやって相手を構えさせるか」と選手たちの積極果敢な姿勢を期待する。主将の岩崎は「支えてくれた人たちへの感謝を胸に、自分たちらしいサッカーを見せられたらいい」と夢舞台を心待ちにしている。

 

© 株式会社長崎新聞社