長崎市の伊王島で11月、「不動堂」と書かれた木製の看板が漂着しているのが見つかった。市は豪雨災害の被災地から流出した可能性などを考え、“持ち主”を探しているが、これまでに有力な手掛かりはない。お堂に掲げられていたものとみて大切に保管しつつ、情報提供を呼び掛けている。
看板は長さ約1.4メートル、幅約25センチでケヤキ製とみられる。長い間、漂流していたのか、表面や周りには多数の傷があった。11月上旬、島内の船だまりに流れ着いているのを地元漁師が発見。知らせを受けた伊王島町船津自治会長の高田正男さん(71)が、市伊王島地域センターに届けた。
地域センターは早速、ツイッターで情報を発信。さらに7月の豪雨で被災した熊本県・球磨川流域の自治体にも問い合わせたが、所有者につながる返信はなかった。看板の裏面に記された、製造元とみられる福岡県内の業者に連絡を取ったが「取り扱いの数が多く、分からない」との回答だったという。
地域センターの荒木豊文所長は「九州内とは思うが、手掛かりがない中、これ以上探すのはなかなか難しい」と話す。高田さんは「処分するわけにもいかない。元の場所に戻るのが一番だが、分からないのであれば、縁があった伊王島でまつるなど、何とかしないといけない」と語った。
豪雨被災地から?長崎・伊王島に漂着 「不動堂」看板の“持ち主”探し
- Published
- 2020/12/26 13:00 (JST)
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