ドラ1トリオに“竜の周東”候補の韋駄天も…2021年、中日でブレーク期待の若手は?

中日・石川昂弥、根尾昂、小笠原慎之介(左から)【写真:荒川祐史】

昨季は8年ぶりAクラス入りで上昇気配…与田監督3年目に悲願達成を

2020年は8年ぶりのAクラス入りを果たした中日。上昇気配が漂う中で迎えた2021年は、10年ぶりのリーグ優勝と16年ぶりの日本一を目指すシーズンとなる。投打で柱となる存在がいる一方、チームに勢いを与えるために欠かせないのが若手の台頭。3年連続で地元出身のスター高校生をドラフト1位指名するなど、土台づくりには着手してきた。

2013年から7年連続Bクラスと低迷にあえいできたチームは今季、沢村賞を獲得したエースの大野雄大が投手陣を牽引。打線ではベテランの大島洋平が2年連続の最多安打と健在で、中軸もキャプテンの高橋周平やダヤン・ビシエドらが頼もしさを示した。与田剛監督にとって3年目となる来季、ブレークが期待される若手を取り上げたい。

○根尾昂内野手(3年目・21歳)
春夏通じて3度の全国制覇を経験した甲子園のスター。2年目の今季は1軍9試合出場ながら、8月11日の広島戦(マツダ)では通算17打席目にしてプロ初安打を記録した。外野にも挑戦して可能性を模索。一方で、今オフの契約更改では遊撃レギュラーの京田への挑戦を宣言した。潜在能力は首脳陣や同僚ら誰もが認めるところ。飛躍のきっかけをつかみたい。

○石川昂弥内野手(2年目・20歳)
3球団競合の末に中日が獲得した次代の大砲候補。ルーキーイヤーの今季は、7月12日の広島戦(ナゴヤドーム)で高卒新人一番乗りで1軍デビューを果たし、初安打もマークした。1軍では14試合に出場し、36打数8安打、1打点。一塁・ビシエド、二塁・阿部、三塁・高橋周、遊撃・京田と内野のレギュラーは固定されつつあるが、持ち前の打棒で風穴を開けられるか。

ドラ1ルーキー高橋宏は即戦力の期待、6年目迎えた小笠原の“覚悟”に期待

○高橋宏斗投手(1年目・19歳)
今秋のドラフト会議で一本釣りした地元出身のエース候補。高卒ながら、即戦力としての期待も高い。高校時代の成長は著しく、最大の武器である最速154キロの直球も伸びしろ十分。黄金期にエースを担い、今季限りで引退した吉見一起氏の背番号19を引き継いだ。将来を見据えて地に足をつけた育成に舵を切るのか、積極的に実戦経験を積ませるのか、球団の方針も注目だ。

○高松渡内野手(5年目・22歳)
今季は1軍での出場がなく、2軍で61試合に出場し、チームトップタイの11盗塁をマークした。売りは、やはり俊足。代走出場から昨季二塁レギュラーの座までのぼり詰めたソフトバンクの周東佑京のようなステップアップを狙う。課題は打撃面で、昨季ウエスタン・リーグでは打率.188。最大の武器を生かすためにも、まずは出塁が欠かせない。

○石垣雅海内野手(5年目・23歳)
2018年のフレッシュオールスターでは豪快な1発を放ってMVPを獲得。今季は25試合に出場し、9月25日の巨人戦(東京ドーム)ではプロ初本塁打をマークした。2軍戦では40試合出場で5本塁打、21打点、打率.372の成績を残し、内野の全てのポジションと外野を守った。フルスイングが魅力の大砲候補は、着々とブレークの土台を築いている。

○小笠原慎之介投手(6年目・24歳)
東海大相模高で夏の甲子園優勝を経験したドラフト1位左腕も、気がつけば6年目を迎えた。1年目からエース候補として1軍経験を積んできたが、2017、2018年にそれぞれ5勝をあげたのが最高。2019年は左肩痛の影響で3勝にとどまり、今季はわずか4試合登板で1勝3敗、防御率7.11だった。同世代の広島・森下暢仁は今季新人王を獲得。今後のプロ人生を左右しかねない正念場のシーズンとなる。(Full-Count編集部)

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