2021年に年が変わっても新型コロナウイルスの感染拡大は収まらず、新春ならではの風景も様変わりした。2日、往路の激しいレースが繰り広げられた第97回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は、沿道での応援自粛が求められる中での異例の開催。「分散参拝」が呼び掛けられた初詣も混雑はみられず、「例年の半分以下」(川崎大師平間寺)だった。
■箱根駅伝中継所
箱根駅伝で各校のエースが投入される“花の2区”にたすきをつなぐ鶴見中継所(横浜市鶴見区)付近。「沿道での観戦はご遠慮ください」との注意書きを首から下げたスタッフが待機し、応援の自粛が繰り返し呼び掛けられたが、有名な観戦スポットとあって、熱心なファンらが沿道から選手たちの健闘を見守った。
ただ、沿道の人出は例年より少なめ。出場大学による応援はなく、選手への激励はほとんど行われないなど静かな状況の中、各校のランナーが駆け抜けた。
毎年訪れるという男性(67)は「遠巻きに見れば大丈夫と思って来た。箱根駅伝を見ないと新年を迎えられないね」。マスク姿で拍手を送っていた80代の女性は「コロナ禍で大変な時期に、孫のように若い選手が頑張る姿を見て元気になった」と話した。
大会を主催する関東学生陸上競技連盟は3日の復路でも沿道に人員を配置し、観戦を控えるよう呼び掛けることにしている。