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フィンランド発祥のスポーツ「モルック」を長崎県内に広めようと、長崎市内の若者たちが普及活動に取り組んでいる。そもそもモルックって何?-。木製の棒に熱い思いを託すメンバーたちの意気込みと、競技の魅力を探った。
昨年12月下旬、長崎市の五島町公園に、木がぶつかる心地よい音とともに、20代の男女5人の笑い声が弾む。地面に立てた12本の木製の棒(スキットル)を目掛けて、手持ちの棒(モルック)を投げて得点を競う。フィンランド伝統の遊びを基に、1996年に生まれたスポーツがモルックだ。
県内で普及活動に取り組む「モルック長崎」(長野大生(ひろき)代表・7人)は昨年10月に発足。メンバーらは、市内外のイベントに道具を持参するなどして、定期的に体験会を開く。長野さんは「どこでも誰とでもできるのが最大の魅力」と語る。北欧では世界大会が開かれるなど年々人気が高まり、日本モルック協会によると、2018年は約千人だった国内の愛好者は、20年に10倍の約1万人まで増えたという。
スキットルは一投ごとに倒れた場所に立て直すため、“戦場”はどんどん広がっていく。1本だけを攻めるのか、複数倒したほうがいいのか、状況に合わせて狙いも変化。見た目はボウリングと似ているが、「戦略が重要で奥が深いんですよ」と長野さん。初めて体験した同市愛宕3丁目の森崎裕土(ひろと)さん(23)は「地味な遊びと思っていたが、すごく楽しい。柔らかい木の感触も当たった時の音も気持ちいい」と、すっかりはまった様子。
30日には、同市の江戸町公園で交流大会を開く予定。モルック長崎は活動内容を随時、ツイッターで発信しており、体験希望者や対戦相手を募集している。長野さんは「子どもやお年寄り、車いすの人など、老若男女が気軽に楽しめる。新たなレクリエーションとして裾野を広げ、長崎から世界大会を目指したい」。気合を込めた一投はゆっくりと弧を描き、落ち葉舞う公園にまた歓声が響いた。
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