バド代表・桃田賢斗に今度はコロナ感染の試練 大みそか開設のユーチューブは…

交通事故の次はコロナ…試練が続く桃田(代表撮影)

バドミントン男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(26=NTT東日本)が大誤算に見舞われている。昨年大みそかにユーチューバーデビューを発表し、年末年始は競技普及を目的に多数のテレビ番組に出演するなど「バドミントン界の顔」として歩み始めていたが、新型コロナウイルス感染が判明。コート内外の計画はすべて〝白紙〟となった。

ドン底から何度も這い上がってきた男に再び試練が訪れた。桃田はタイ遠征へ出発する直前、成田空港で新型コロナの陽性が判明(3日)。日本代表選手団全員の派遣が取りやめとなった。所属のNTT東日本によると、現在は本人が手配した場所で自主隔離生活を送っており、再検査を含めて保健所からの指示を待っている状態だ。

それにしても、桃田にはトラブルや不運がつきまとう。2016年のリオ五輪は違法賭博問題で棒に振り、東京五輪イヤーとなるはずだった昨年1月には遠征先のマレーシアで交通事故に巻き込まれて眼窩底骨折の重傷を負った。その後はコロナ禍の自粛期間を経て、12月の全日本総合選手権で3年連続4度目の優勝。いよいよ完全復活…という矢先の災難となった。

NTT東日本の広報によると、現在の桃田の様子は「無症状なので体は元気ですが、やはり陽性となったことで気落ちしているようです」という。自身の感染で他の選手やスタッフ全員の派遣が中止となった現実もあるだろうが、コート外でも活動の場を広げた直後に出はなをくじかれたことも痛恨だ。

桃田は昨年大みそかにツイッターでユーチューブチャンネル開設を発表。「少しでも僕を、バドミントンを知ってもらいたい」と競技普及の旗振り役になる決意を固め、年末年始には多数のテレビ番組にも出演した。大みそか放送のバラエティー番組では罰ゲームで股間を強打させて悶絶。硬派なイメージを捨ててまでバドミントンを広めようとする姿は大きな話題となった。

しかし、当面の間はメディア出演やユーチューブチャンネルなどを使った発信は困難な状況。今後の競技活動も「協会と話し合って決めることになる」(NTT東日本)と先行きは不透明となった。これまで数々の困難を乗り越えてきた日本のエースは、再び立ち直った姿を見せることができるのか。

© 株式会社東京スポーツ新聞社