フォームもグラブも整骨院も同じ…オリ山本由伸“信者”楽天ドラ6右腕が憧れる理由

オリックス・山本と同じタイプのグラブを愛用する楽天ドラフト6位の内星龍【写真提供:楽天野球団】

体格は“本家”以上の身長190センチ、体重88キロ

楽天ドラフト6位の履正社高・内星龍(うち・せいりゅう)投手が6日に仙台市内の泉犬鷲寮へ入寮し、プロの第一歩を踏み出した。10日からは仙台市内で新人合同自主トレに臨む。190センチの長身から投げ下ろす最速148キロの速球が魅力の右腕は、地元大阪に本拠地を置くオリックスの山本由伸投手に憧れ、山本と同じ整骨院に通って体の使い方を学び、同じグラブも使用。さらに独特の投球フォームまで酷似している。

オリックスの山本といえば、昨年も149奪三振でソフトバンク・千賀とタイトルを分け合い、リーグ2位の防御率2.20をマークした当代随一の右腕。踏み出した左足をピンと伸ばし、それをつっかえ棒のようにして上半身を振り下ろす投球フォームで、槍投げを連想させる独特のスタイル。実際、トレーニングに槍投げを取り入れている。内のフォームはこれによく似ている。

それもそのはず。「高校2年の冬から、山本投手の投球フォームの動画を見て、最初は見よう見まね。徐々に自分の体にハマり出しました」と明かす。190センチ、88キロの体格を使いこなすのは簡単なことではないが、山本のフォームが格好の手本になった。

さらに同じ頃から、山本が指導を受けている大阪の整骨院に通い、体の使い方を学んでいる。「そこで指導していただく以前の僕は、ウエートトレーニングで筋肉を付け過ぎてケガが多く、自分の体を使いこなせていなかった。最近は自分の体のバランスがわかってきて、最大限の力を発揮できるようになりました」と手応え十分。「1番変わったのは遠投。距離も伸びましたし、低い角度で投げられるようになりました」とぐんぐん自信をつけている。

昨年夏の「合同練習会」に新調グラブで参加「父が探して買ってくれました」

そして愛用のグラブは、中指を外に出す珍しいタイプで、もちろん山本と同じブランド「アイピーセレクト」の、同じタイプの製品だ。高3進級後に使い始め「捕球はともかく、投球の際にバランスが良いグラブです。このグラブでないと疲労感がたまります」と、もはや体の一部となっている。

内は、昨年8月に甲子園球場で行われた「プロ志望高校生合同練習会」に参加。シート打撃で打者5人を無安打1四球に抑え、見事ドラフト指名につなげた。この練習会には、山本と同じタイプのグラブを新調して臨んでいた。「販売数が少ないグラブですが、父が探して買ってくれました。結果が出たのはほぼ、このグラブのおかげです」と感謝する。

「僕のアピールポイントは球の質と回転。キャッチボールを見てほしいですし、ピッチングが始まったら、長身を生かしたストレート、スプリットを見せたい」と意欲満々。高卒1年目の18歳ではあっても「早く1軍に上がって活躍したい」と、のんびり体づくりに専念するつもりはない。

こうなると1日も早く、山本との直接対決を見てみたいものだ。内自身も「頑張って追いついて、山本さんと投げ合えるようになりたい」とキッパリ。178センチ、80キロの山本に比べ、体格ではアドバンテージもあるだけに、どこまで伸びるか楽しみだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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